シェア180がお手伝いさせていただいている会社との関係をより鮮明に描き出すべく、ご担当者の方との対談を実施させていただきました!
インタビューを通じてこれまでの歩み、これからの展望など、色々とお聞きします。
■出演者:
三菱地所レジデンス株式会社
アセットマネジメント戦略部
アセットマネジメント第1グループ
酒井 勇生 氏
■聞き手:
株式会社シェア180
代表取締役 伊藤 正樹
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不動産業界を取り巻く現状 選択肢のひとつに
伊藤 正樹(以下、伊藤):
まず三菱地所レジデンス様におけるシェアハウス事業の位置づけについて、改めてお聞かせください。
酒井 勇生氏(以下、酒井):
弊社はオフィスビルからマンション、さらに街づくりにいたるまで、不動産に関わる幅広い事業を展開させていただいております。マンション価格が高騰する昨今の状況をふまえ、シェアハウスは既存の建物を有効活用する手段として注目しており、今回、ある企業様の社宅を再活用する目的でシェアハウス事業をスタートすることになりました。

築古物件の活用 集客に課題
伊藤: シェアハウス事業をスタートしようと検討していた頃は、どのような課題に直面していましたか?
酒井: 一番大きな課題は築古物件への費用対効果についてです。例えば築30年の物件に対し、どこまで費用をかけられるか、かけたとしてどれだけ回収できるか、そうした内容をプロパティマネジメントの一環で検討していた時に、シェアハウスとして活用する案が出ました。
伊藤: なるほど、確かに築古物件を抱えるオーナー様からどれだけ設備がよくとも築古というだけでなかなか借り手がつかないアパート・マンションがある、というお話をお聞きします。
酒井: はい、費用をかけるにしても、かけすぎてはいけないので、その線引きが難しいことが問題でした。その点、シェアハウスは築古でもあまり関係なく対応できるところに魅力を感じました。
伊藤: シェアハウスはリノベーションが前提ですので、築古でもやり方によって費用を調節できるというのは、物件オーナー様にとって心強いことだと思います。
運営会社候補として
伊藤: シェア180はどのように知られたのでしょう?
酒井: 知ったきっかけは紹介です。当時、シェアハウス運営を委託していた会社との契約を解除し、次に運営をお願いする会社を検討していた際に候補として名前が挙がりました。弊社にはシェアハウスの運営や集客のノウハウがなく、どこに依頼するかが一番重要になりますので慎重に検討を重ねていました。
伊藤: 運営会社を決定するコンペは2023年の2月、コロナ禍が落ち着きを見せ始めたころでしたね。
酒井: はい、最終的にそのコンペでシェア180さんへシェアハウスの集客をお願いする運びとなりました。私たちにとってもシェアハウスのオペレーターが変わるということは大きな話でしたので、注意深く選定をさせていただきました。

コロナ禍で業界構図が変化
伊藤: 当社を選んでいただいたポイントはどこだったのでしょうか?
酒井: 第一の基準は運営費の金額設定でした。低すぎず、高すぎずこちらの設定ラインをきちんとクリアできていたことが最初のポイントです。こちらが提示する条件を満たすためのロジックも基準を満たしていたこともポイントでした。
伊藤: ありがとうございます。これまでの経験を活かして精一杯ご提案させていただきました。
酒井: もう一つは、実績としてコロナ禍においても物件の稼働率が下がっていなかったことです。コロナでシェアハウス業界はかなり影響を受けましたが、シェア180さんの物件は稼働率が下がっていなかった。弊社は定量的な評価が特に重視されるのですが、これはなにかあるぞ、ということで依頼させていただきました。
伊藤: 多くのシェアハウスは外国人の入居者様が大きなウェイトを占めていたのですが、コロナ禍でその構図が大きく崩れました。翻って私たちは日本人の集客に強みがあったことが功を奏したと分析しています。

若い世代の価値観の変化に触れる
伊藤: シェアハウスを運営して印象が変わったことはありますか?
酒井: 若い人たちのライフスタイルの変化ですね。高いお金をかけてよい部屋に住むよりも、コミュニティを重視し、人との関わりの中で暮らしたいと考える人が、若い人を中心に増えているということを知りました。
伊藤: 都市圏ではそうした価値観を持つ人の増加が顕著なように感じます。人と関わる中で経験や知識を得たり、今しかできない体験をしたいという人が多くなってきています。
設備充実、濃密なコミュニティ
伊藤: 提供している物件にどのようなこだわりがありますか?
酒井: ポイントこだわりは「コミュニケーションの活性化」で、ポイントは2つあります。1つ目は元社宅の広い居室の中に複数の個室をつくったことで、居室内でのコミュニケーションが活性化されるということ、2つ目は3居室を共用部(ワーキングスペース、フィットネスルーム、食堂)に変更、共用部でもコミュニケーションが活性化されるということですね。もともと大企業の社宅でしたから、設備もしっかりしたものが備えられています。しかし、駅からもやや距離があり、坂があるということで賃貸としては訴求力が弱い部分がありました。
伊藤: 一部屋3LDKの間取りをシェアハウスとして活用しているので、それぞれの部屋で濃密な交流ができていますね。共有スペースの設備もクオリティが高く、とても素敵なシェアハウスだと思います。
酒井: ありがとうございます。稼働も9割を超え、予想を上回る結果になりました。
<三菱地所レジデンス様のシェアハウス>

時代の変化 潜在的ニーズを掘り起こす
伊藤: 今後の展開について教えていただけますか?
酒井: 新築でシェアハウスを建てる予定はないのですが、築古物件を中心にコストを抑えて新しいシェアハウスを作っていきたいと考えています。今後、人口減少に伴う外国人居住者の増加が予想されますので、そうした人たちの受け皿としてもシェアハウスを活用していきたいと思います。建築業界の2024年問題なども取りざたされていますが、何より既存の物件を活用していくことはとても重要なことだと認識しています。
先にも述べましたが、若い世代のライフスタイルが変化しています。長年住み続けることよりも、自由に出入りしながら共同生活を営み、今日を一緒に過ごす仲間を大切にしていこうという人たちが増えている状況を目の当たりにしました。今後はシェアハウス事業をハード・ソフト両面から磨き、潜在的なニーズを掘り起こしていこうと思います。
伊藤: 貴重なお話、ありがとうございました。まだまだ私たちも至らない点がありますが、精一杯お手伝いさせていただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
酒井: ありがとうございました。

シェア180ではシェアハウス事業にお困りの企業様へ力強く支援をさせていただいております。
ご相談事がございましたらお気軽にお問合せください。
※内容および出演者の所属・肩書は2023年12月のものです